【動画】BBCのクイズ番組で広島長崎の二重被爆者が「世界一運が悪い男」としてネタに


イギリスのテレビチャンネル”BBC One“で昨年12月に放送されたクイズ番組内にて、第二次大戦中に広島と長崎の原爆の両方に被爆してしまいながらも、生還し93歳まで生きた山口つとむさんを紹介。「世界一運が悪い男」として笑い話として取り上げた事でちょっとした騒動となっています。
この記事ではその放送の映像を紹介したいと思います。


広島・長崎の二重被爆者が「世界一不運の男」として取り上げられた映像-BBCのクイズ番組
>>BBC公式ページ内の動画ページはこちらです
核所持国であるイギリスと被爆国である日本。ユーモアを大事にするイギリス人と道徳や規律を重んじる日本人。の間で感覚に相違があるのは勿論ですが、日本人の立場としては、奇跡的に生還する事が出来た山口さんの他にも多数の犠牲者と後遺症に苦しみ続けた人、遺族や家族の言い知れぬ思いがあったことを理解して欲しいですね。山口さんを亡くした直後の遺族にとって笑い話として取り上げられるのは遺憾に思えて当然だと思います。
ただこの番組がこの話題を取り上げたかったのも分かります。”The Unluckiest Man in the World”という大げさな英語表現は皮肉っぽいですが文字通り「運の悪い男」と悪意があるよりは、親しみを込めた表現のように感じます。不運であるが不幸ではない男を思い浮かべます。
1945年8月6日に広島で原爆に遭い、壊滅的な状況の街からほんの3日後には電車で長崎へと移動し、そこでまた原爆に遭ってしまうのは、確かにものすごく不運ですがジョークのような滑稽さがあります。しかもその両方で生還しその後65年間生き、93歳という長寿で亡くなられた事も奇跡としか思えない物語です。
戦争や原爆を知らない世代にとってこのようなエピソードは重要だと思いますが、今回のBBCはやはりやり方と時期が悪かったですね。バカにしてる訳ではないとはいえ不謹慎です。