コーラ業界でトップシェアを誇っていたコカ・コーラ(Coke)に対し、ペプシ・コーラは味ではコカ・コーラといい勝負だけどブランド力やイメージで負けていました。1970年代にペプシはコカ・コーラとの飲み比べなどのペプシチャレンジというキャンペーンを全米で実施、その後も様々な広告戦略を採って来ました。これが成果を挙げ「ペプシはコークの偽者」「味が劣る」というイメージを払拭し、現在のアメリカではコカ・コーラとペプシ・コーラのシェアはほとんど同じだそうです。
ペプシにはやりすぎとも思えるコカ・コーラとの比較CMがいっぱいあります。今回はそんな面白いペプシのCMを色々紹介したいと思います。
○ペプシを頼んだのにコークを持ってきた店員を諭すゴッドファーザーと女の子
女優のハリー・ケイト・アイゼンバーグ(Hallie Kate Eisenberg)が出てる2000年ごろのペプシCM。ペプシを注文した女の子に、店員は「子供だしどうせ分からないや」とコークを出します。コーラを飲んだ瞬間女の子の表情と声が激変、かなり強烈な言葉で店員に説教します。
このCMのすごい所は、少女のセリフでコカ・コーラを得体の知れないものと言ったり、教養人はペプシを選択するということを示唆したりしてる点ですね。この動画は聞き取りにくいと思うので『笑いを誘うペプシ・コマーシャル! 』-yapprで英文と日本語訳を確認してみてください。
○コカ・コーラを踏み台にしてペプシを買う男の子
全く英語は登場しないのですがユニークなCMなので掲載。少年はコカ・コーラには見向きもせず、ペプシだけを持って去っていきます。ペプシはコカ・コーラ二本分以上の価値があるということでしょうか。最初はコークを選択していた消費者が、やがてペプシを選ぶようになって来たここ数十年の流れと重なって見えます。日本でこんなCM放映すると逆にアンチペプシを増やしてしまいそうです。
○コカ・コーラの従業員も実はペプシが好き?
コカ・コーラとペプシ・コーラのトラックドライバーがハンバーガーショップ内ですっかり意気投合、周囲の目を気にしながらもお互いのコーラを飲みあうことに。だが、ペプシを飲んだコカ・コーラのドライバーがペプシを離そうとしない。余程気に入ったのだろうか・・・。しまいには殴り合いのけんかになってしまいます。
○ジャッキー・チェンが登場する爆笑CM
これはかなり爆笑した。今回のジャッキー・チェンの共演者はペプシ・コーラ。だが余程大切な共演者なのか、危険なスタントシーンではペプシをなんとコカ・コーラに差し替えている。ここでのdoubleは代役という意味です。コカ・コーラがあまりにもひどい扱いで面白すぎるw
○コンビニの監視カメラに映ったコカ・コーラ従業員の行動
コカ・コーラを棚に詰めているコカ・コーラの従業員がペプシに浮気をしようとしたのか、手に取った瞬間何と雪崩が・・・。「Your Cheatin’ Heart」というBGMの選曲も抜群ですね。
○アインシュタインもペプシ派
相対性理論を唱えたかのアインシュタインがペプシとコカ・コーラの選択に迷った挙句ペプシを選んだというCM。オンリーワンな存在ということか。
○コカ・コーラに絶望しペプシ派に乗り換えたおじいさん
ペプシの巧みなマーケティング戦略によってシェアを奪われつつあったコカ・コーラは、マーケティングで対抗するか、ペプシ熱が冷めるまで何もしなければよかったのに、1984年一番やってはいけない味の変更をしてしまいました。これに対する古くからのコークユーザーの反発は凄まじく、すぐさま昔の味がコカ・コーラ・クラシックとして復刻したそうです。
ペプシはコカ・コーラの失敗をついてこのCMを流しました。消費者を裏切ったコカ・コーラには見切りをつけ、ペプシへおいでってことですね。
以上、今回はペプシVSコカ・コーラの構図のペプシCMをいくつか紹介しました。ペプシが売ってきた喧嘩に対してコカ・コーラは徹底的に無視したCMを作ってますが、たまにペプシを暗に皮肉ったCMもあったようです。こう見るとペプシって卑劣なことしてるなって思っちゃいますが、ブランドイメージや流通での勝負だったペプシVSコカ・コーラを、商品の味そのものの勝負に持っていき追いついたのは、すごいな~と思います。