末期がんに冒された大学教授ランディ・パウシュが夢について語った笑いと涙の「最後の授業」


 アメリカ合衆国の名門カーネギーメロン大学(かの鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが設立)でコンピュータ科学を教えていたランディ・パウシュ(randy pausch)教授が、2007年9月18日同大学で「Really Achieving Your Childhood Dreams」と題した特別講義「最後の授業(The Last Lecture)」を行いました。
 実はこの時彼は46歳という若さで末期の膵臓ガンに冒されており医者からは余命3ヶ月~半年と宣告されていたのです。そんな厳しい現実を微塵も感じさせないパウシュのユーモア溢れる「最後の授業」は、観客を大いに沸かせ、全米中のテレビ、YouTube(瞬く間に600万アクセス獲得)で話題沸騰し世界中から大絶賛されました。


 先に結末を書いてしまったら面白さが激減しちゃうので、まずはムービーをどうぞ。2時間近い長い動画なので時間があるときにご覧下さい。日本語字幕付き動画も探しました。
ランディ・パウシュ「最後の授業」の英語動画
(Randy Pausch Last Lecture: Achieving Your Childhood Dreams)

この講義の英語全文スクリプト
 上の英語版はリスニングが得意な人向け用ですね。そうじゃない人・内容を漏らさず聞きたい人には、ランディ・パウシュ「最後の授業」日本語字幕付きバージョンをおすすめします。
 ランディ・パウシュが最も伝えたかったことは、夢を持つことの大切さ。家族や仲間たちへの感謝の気持ち。だと思います。
 彼が子供の時に抱いた夢の多くは死ぬまでに実現しました。夢というのは真面目に生き、努力し、仲間に恵まれれば実現する。夢に立ちはだかったレンガの壁はどれだけそれをやりたいのかを示してくれる物である。
彼はさらに、他の人の夢の実現を手助けすることに人生の多くを費やしており、その楽しさ重要性も主張しました。
 それにしても後半、彼が奥さんに捧げたサプライズは本当に感動的でした。彼の妻への感謝の気持ちを伝えるのにこれ以上の方法はありません。
 パウシュは「この講義は私の子供たちに向けたものです」という言葉で締めくくっています。講義の中で死を予感させる言葉はほぼなかったのですが、この言葉を聞いて個人的にはこんな底抜けに明るい彼にも死に行く人間の1人という自覚があるんだなぁと切なくなりました。
 自身の夢を実現し、人の夢の実現を助ける楽しさを感じていた彼が、一番夢の手助けをしてあげたいと思っていたは自分の子供たちであったのは当然でしょう。少ない残りの人生でできるだけ多く夢を抱くこと、その実現のために正しく生きること、人に感謝すること、楽しむことの大切さを子供に伝えたかった彼にとって、この「最後の授業」は非常に有意義な物だったでしょう。
 冒頭にも書いたように、彼の講義はテレビ番組、YouTube等の動画投稿サイトを通して世界中の人々に感動を与えました。今まで何百人、何千人もの夢の実現を手伝ってきた彼は、この講義を通して世界中の子供たち学生、大人たちに夢を与えることができたはずです。
 ランディ・パウシュの本「最後の授業 ぼくの命があるうちに DVD付き版」では「最後の授業」の講義がまとめられ裏話等をが追加されています。おすすめです。
 2008年7月25日ランディ・パウシュは膵臓ガンのため自宅で家族に見守られながら死去した。享年47歳。