ハドソン川の奇跡の交信記録テープ公開。英語全文と日本語訳


 アメリカ・ニューヨークのハドソン川に先月15日、USエアウェイズ機が不時着し、乗員乗客が全員無事救助されパイロットが称賛された「ハドソン川の奇跡」の交信記録テープが公開されました。サレンバーガー(Sullenberger)機長と管制官の間の緊迫したやり取りが記録されています。


ハドソン川の奇跡、パイロットと管制官の交信テープの音声
ハドソン川の奇跡の交信記録とUSエアウェイズ1549便の航路の動画

○ハドソン川の奇跡、交信記録の英語スクリプトと日本語訳(英文は‘We’re gonna be in the Hudson’ – USATODAY.comを参考にしました。)

サレンバーガー機長 ”Ah, this is, uh, Cactus 1539, hit birds. We lost thrust in both engines. We’re turning back towards LaGuardia.” (ああ、Cactus1539便、鳥にぶつかった。両エンジンの推力を失った。ラガーディアに戻ります。)
cactusはUS Airwaysを表すサイン。機長は1549便を1539便といってるのは動揺の表れか。
官制”He lost all engines, he lost the thrust in the engines, he is returning immediately.”(サレンバーガーが全エンジンを失った。エンジンの推力を失った。すぐに戻ってくる。)
ラガーディア空港 ”Which engines?”(どっちのエンジン?)
官制 ”He lost thrust in both engines, he said.” (両方のエンジンの推力を失ったと言っている。)
空港 ”Got it,”(分かった)
官制がラガーディア空港への着陸が可能な旨を伝えるが・・・。
機長 ”We’re unable. We may end up in the Hudson.”(不可能だ。ハドソン川で果ててしまうかもしれない。)
官制 ”Ok, what do you need to land?”(了解、着陸にはどうすればいい?)
機長 ”I am not sure if we can make any runway. Oh, what’s over to our right? Anything in New Jersey? Maybe Teterboro.”(いかなる着陸もできるかどうか分からない。お、右はどうだろう。ニュージャージーのどこか。多分ティーターボロ空港)
官制 ”Do you want to try Teterboro?”(ティーターボロを試したいかい?)
機長 ”Yes.”(はい。)
官制が機長にティーターボロ空港に着陸可能と告げる。
機長 ”We can’t do it,”(やっぱりできない)
ここで機長からの交信が途絶える。
官制 ”Cactus, ah, Cactus 1549, radar contact is lost. You also got Newark (Liberty International) Airport off your two o’clock and about 7 miles.”(Cactus、あー、Cactus1549便のレーダーのコンタクトが途絶えた。ニューアークも可能だぞ。2時の方向に約7マイル離れた空港だ。)

Air traffic tapes of Hudson plane crash released – CNN.comにもハドソン川の奇跡交信記録のニュース動画と交信記録全文が掲載されています。