受験英語を東大レベルまで持っていく方法


リスニング力の向上や実践的な英語力を身につけたいという人には、価値のない情報ですが、受験英語を極めたい高校生や大学受験生、TOEICのライティング分野での基礎力を養いたいという学習者には、ちょっぴり有益かもしれないので、受験英語を極めたと自負する私自身がやったことを中心に書いてみたいと思います。


それでは、まずは言い訳から。
受験英語を極めたと言っても、模試の英語の成績で全国一位になったとかではなく、どこの大学の入試問題を受験しても得点源となれるという程度のレベルでした。具体的には、浪人時に受けた数回の東大模試の得点が7,8割で偏差値は65前後、東大入試本番でも数学0点を中心となって補い合格を授けてくれたレベルでした。受験英語として求められる水準としては十分で、英語重視の私立文系の受験業界だったら敵なしって感じでした。
大学受験までの英語学習歴を簡単に書いてみます。
中学1年の時授業で習い始める→中学3年の夏に受験勉強を開始、英語が好きになる→高校に入ると厚い文法書が配布される。英語が暗記科目ではなく体系立った科目と知り益々好きになる→高校3年から大学受験対策の勉強を始める。アメリカに8年いた帰国子女にライバル意識を燃やしてた→私大には合格したが自宅浪人を決意。現役時にはほぼ手付かずだったリスニングにも時間をかけ絶対的自信のある科目に→まさかの数学0点を他の科目で補い東大合格
結局塾・予備校には一度も通わず、書店の参考書や問題集、Z会等の通信教育での学習法が自分には適していました。
それでは具体的な勉強法を。中学英語なら出来ることが前提となります。。


まず、受験英語において大切なのは文法を疎かにしないことです。英文法は勉強するなという非常識な常識(?)みたいなのが巷にはありますが、あれはせいぜい日常会話を手っ取り早く覚えるならって事でしょう。英文法は、受験直前まで闘うことになる構文や語法、英熟語、長文読解、英作文などあらゆるものの基礎です。英語は非常に論理的な言語なので、法則を体系的に理解し例外を個別に暗記していくことで非常に効率よく勉強・暗記していけます。
学校で配布されるような厚めの文法書を隅から隅までしっかり読み、単元ごとにその都度問題演習を行っていけば必ず文法は身につきます。その際重要なのは、法則を理解するまでとことん考えこむことです。
難関大学を目指したいのなら、普通の学校で配られるような文法書より一段詳しくて受験英語レベルの文法をほぼ全て網羅している『ロイヤル英文法』を、文法辞書として持っておくことをおすすめします。
英文法標準問題精講』、あるいはその基礎編である『基礎英文法問題精講』で問題演習を重ねればかなり実力がつきます。問題集は短期間で一気に仕上げるのが重要です。


文法が一通り理解できたら、英語構文を叩き込みましょう。構文は例文ごと暗記するのが一番手っ取り早いです。構文自体とその使い方を覚えられるので。私は『大学入試英語頻出問題総演習』を別売りCDに合わせて何度も音読することで暗記しました。この参考書は難しいので基礎編もあるのですが、難関大志望の方にはこのくらいのレベルのものにチャレンジして欲しいです。
大学入試英語頻出問題総演習の学習方法ですが、一回目は全く歯が立たないと思うので、解答を考えながら答え合わせ後、正解を穴に埋めていきます。最後まで正解の書き込みが終わったら、二回目は右ページの解説や文法書を参照しつつ、理解しながら読み進めていきます。3度目以降は、朗読CDを流しそれに合わせて音読します。一回当り2時間程度、週に一回のサイクルで2、3ヶ月続ければ絶対暗記できます。最初は付いていくのがやっとですが、慣れていくに従って、例文ごとの合間に解説や関連表現にざっと目を通すことも出来、かなりの効率で学習ができます。かなりおすすめです。
なお、英語頻出問題総演習は構文用辞書として受験英語の核になるものですので、スペースに関連した単語や熟語、表現、注意事項などあらゆる情報を付け加えていきましょう。


続いては英単語・英熟語について。英単熟語帳は名著と呼ばれるものが書店に多数あって自分が続けられるのをやればいいと思うのですが、一応ここでも私なりのコツを。
まず、私には英語のバイブル的存在だった単語帳があります。灘高校・東大理三卒の精神科医で受験勉強術のカリスマと呼ばれる和田秀樹さんの『早慶に出る英単語―どんどん長文が読める』です。私の受験生当時には既に絶版でしたがたまたまブックオフで見つけて買ったのでした。単語の収録数は少なく基本的なものばかりで、日本語訳や解説も少ししかなかったのですが、この本の単語語呂合わせにはまったのと、単語の収録基準が長文を読むのに必要なものという基準だったからです。2時間あれば一回読めるので、高2の秋から10回以上は読破しました。
早慶に出る英単語をやってるうちに英単語帳の勉強スタイルを確立出来たのが幸せだった。暗記した単語を鉛筆で塗りつぶすという荒業でしたが、単語帳は派手に汚したほうがやりがいが沸くし、覚えてない単語の見直しもしやすいです。同様に『英単語ターゲット1900』等、複数の英単語帳で語彙力をつけていきました。
そして、英単語帳の中で最強の名著はやはり『速読英単語シリーズです。英語頻出総演習と同じく定番だけどもとっつきにくい本ですが、勉強スタイルを確立すれば神クラスの恩恵を受けることが出来る本です。何度も音読しましょう。一回音読するたびに、ページの上に「正」の字を書く事で気合が入ります。
速読シリーズの勉強スタイルが確立し、面白さを感じてきたら、増進会が出版している速読英単語の入門編・必修編・上級編(上級編の過去の版に早慶出題文で固められたものがあり、入手できればかなり良い)、速読英熟語、類似の英文集を数多くこなしましょう。そうすることで語彙力と英語長文読解力はかなり上達します。慣れると一冊2日もあれば終わります。


続いては、長文に関して。
受験英語の出題のメインである長文対策は『英語長文問題精講』など、沢山の参考書・問題集で勉強しましたが、最強なのはZ会の通信講座でした。Z会で英語の通信講座を受講すると、受講してる講座以外の講座の問題とその解答が掲載された旬報という冊子が月1,2回届きます。例えば難関国立大向けの英語を受講すると、中堅国立大向けや私大向けの問題も解くことが出来るのです。そしてZ会の問題と解説の質は非常に高く、もしかしたら大学受験本番以上のクオリティです。そんな問題を大量に解くことでかなりの長文読解力が付いたと思います。
その際、長文に出てきた語彙は紙やノートに書き出しその都度暗記すること。音読をしっかりすること。理解できてないポイントを残さないこと。が大切です。
斜め読みや冒頭の一文読みといった、速読の必殺技が存在しますが、そういう必殺技はいざという時(時間切れの時)には役に立つためあってもいいのですが、なくてもかまいません。というのも受験英語においては国立も私立も速い精読が大切だからです。そんなことしてたら時間切れになってしまうって程、難しい英語の問題は上智や慶応、東京外大などの問題も解きましたがありませんでした。


お次は英作文。東大では自由英作文がありましたが、正直そんなに得意ではなかった。Z会や模試での添削以外人に見せる機会もありませんでした。ネイティブのための試験ではないので、多少不自然な文章でも減点はされないでしょう。むしろ、正しい文法・構文を使い、言い表したいことを表現する単語が思い浮かべば十分です。英作文があまり得意じゃない人は『基礎和英問題精講ライティング』や『大矢英作文講義の実況中継』あたりから始めるといいと思います。英作文では、英語の総合力が試される。つまり、英作文を訓練ことで英語全体での弱点が見つかるし、総合力も高められます。


英文和訳は長文や語彙力がしっかりしてれば全く問題ないと思います。確実に点を取りたいなら意訳にこだわらず、直訳を基本にした方がいいと思います。


そして、リスニング。実は、英語の勉強中常にAFNという日本に駐在する米軍の方々向けのラジオ番組を垂れ流していました。NHKの英語ニュースと違い、ネイティブスピーカー向けのラジオなので音声はめちゃくちゃ速く、ほとんど聞き取れないのですが、慣れてくると少しは分かるようになるのが嬉しかったです。そしてなんといっても、このスピードに慣れてしまえば大学入試で受験するどんなリスニング音声も遅く聞こえるので、余裕を持って臨むことが出来るようになります。あとは、模試や模試過去問のリスニング音声、速読英単語や英語頻出問題総演習のCDをiPodに入れ何度も聞いてました。センター試験で英語リスニングが導入されて以降、大学入試向けのリスニングの参考書・問題集は多数出版されてるので色々試してみるといいかもしれません。気分転換にこのブログを覗いてみるのも良し。


以上、予備校に通わなかったため極度の受験戦術ヲタ、参考書マニアになった元東大受験生の受験英語ノウハウです。ダラダラ長くてつまらない文章になってしまいましたが、受験英語は正統的な道でとことん演習量を重ねることが大切です。それと、英語を好きになること。
紙の英和辞典をおすすめしますが、電子辞書の方が機能も豊富で使いやすいって方はそれでも構わないと思います。でも、受験でボロボロになった英和辞典というのは一生の宝になるものだとつくづく思う。
もしこんな方法はおすすめだよ!とか、こういう時はどうすればいい?みたいなのがあったらコメント頂けると嬉しいです。