【検証動画】レミングの集団自殺は本当か?


 北極近辺に住むかわいいネズミ、レミングは古くから集団で崖から海に飛び込み、集団自殺する不思議な動物として知られて来ました。
 とりわけ、1958年公開のウォルト・ディズニーによるドキュメンタリー『White Wilderness』(邦題:白い荒野)で、レミングの群れが海に飛び込むシーンや溺れ死んだ大量のレミングのシーンが映し出されたため、「レミング集団自殺説」は一気に世界中に広まりました。まずは白い荒野のレミング集団自殺のシーンからご覧頂きましょう。



【英語動画】レミングの集団自殺映像 from『White Wilderness』(邦題:白い荒野)1958年ウォルト・ディズニー

 確かにレミングが次から次へと崖から海に飛び降り自殺しています・・・。
 実はこのシーンは捏造であることが発覚しています。

 ここで、真相を物語っている次の動画をご覧頂きたいと思います。

 レミングの繁殖能力は非常に高く数年おきに大発生することがあります。そうなると食糧が尽きたり、他の個体との縄張り争いが激しくなるため、一部のレミング達は移住を余儀なくされます。泳ぎが得意である彼らは移住の際に大きな川なども泳いで横断してしまうのですが、横断中に一部の個体が空腹やアクシデントで溺れ死ぬことがあるようです。

 また、移住の際に川ではなく海に行き着く集団もおり、川と思って海に飛び込み泳ぎ出すが当然向こう岸につくことが出来ずに、大量のレミングが溺れ死ぬこともあるそうで、それがレミング集団自殺説の元となったのだと思います。

 個体数の激増⇒餌の不足・天敵の増加・一部は「集団自殺」⇒個体数の激減⇒餌の増加・天敵の減少⇒個体数の激増
という3~4年のサイクルを繰り返しているそうですが、集団移住などの習性については未知の面が多いようです。何て面白い生き物なんだろう・・・。